「和食」という言葉から、皆さんは、どのようなメニューを思い浮かべますか?
お寿司、お刺身、焼き魚定食、天ぷら…など、魚を使った料理をイメージされる人は多いのではないでしょうか。
近年では、世界各国で日本食ブームが起こり、海外でも回転寿司が大流行しています。
お味噌汁も世界三大スープとしてよく知られ、出汁をとるための鰹節や昆布も注目を集めています。
そう、日本の食文化に、お魚は欠かせない食材なのです。
それにも関わらず、実は、日本の食卓では魚離れが進んでいます。
魚離れの一番の理由は、単純に「お魚より、お肉の方が好き」という人が増えてきたため。
たしかに、お魚は淡白なものが多く、ガッツリ食べたい派の人にとっては、ちょっと物足りない感じ。
どうしてもお肉を選びたくなってしまう気持ち、分かります。
でも、美容に効果的な栄養素がたっぷり含まれているお魚を食べないなんて、ちょっともったいない気もします。
お魚に含まれる栄養素としてよく知られているのは、DHA、EPAでしょうか。
DHA(ドコサヘキサエンサン)といえば、「頭を良くする栄養素」として有名ですね。
DHAは、不飽和脂肪酸という脂肪酸の一つです。
脂肪と聞くと、「太る?」と心配されるかも知れませんが、人間の体にとって脂肪は欠かせないエネルギー源。
特に人間の脳の半分は脂質で出来ていて、その構成成分の主となっているのがDHAです。
このことからDHAは「頭に良い」とされているのですが、DHAの効果はそれだけではありません。
DHAは神経細胞の表面を覆う細胞膜や血液成分を柔らかく保つ働きがあります。
DHAを積極的に摂取することで、神経細胞の働きは活発になり、血液もサラサラの状態になるわけです。
血液がドロドロになると、酸素や栄養素の運搬がスムーズにいかず、疲労回復に時間がかかるようになったり、老廃物も溜まりがちになり、むくみや肌荒れの原因になってしまいます。
そうならないためにも、血液はサラサラの状態に保ちたいですよね。
また、お魚にはビタミンDも多く含まれます。
ビタミンDは紫外線を浴びることによって体内で生産することもできるのですが、屋内で過ごすことの多い人や、常にUVクリームを塗っている人は、どうしてもビタミンDが不足気味になってしまいます。
人間の肌というのは外部刺激から身を守るため、もともとバリア機能が備わっているのですが、ビタミンDの不足により、肌本来の機能力が低下してしまいます。
もちろん紫外線は乾燥肌やシミの原因にもなりますので、全くスキンケアをしないというわけにはいきません。
だからこそ、ビタミンDを多く含む食材を積極的に摂るよう心がけていたいものです。
DHAにしてもビタミンDにしても、多く含まれる食材は、イワシ、マグロ、ブリ、サンマ、アジ、カツオ、サケ…など、お魚がほとんど!
更に、お魚の皮と身の間にはコラーゲンもたっぷり。
コラーゲンは骨と骨の軟骨にも含まれているので、丸味で骨ごと食べられる小魚は、お肌も喜ぶ食材なのです。
ただし、DHAやコラーゲンは加熱すると流れてしまう性質があるので、グリルで焼き魚にするよりも、フライパンで照り焼きにして汁をしっかり絡めたり、柔らかく煮込んで煮汁は片栗粉でとろみをつけ餡かけにするなど、焼き汁や煮汁もしっかりと頂くようにすると良いですね。