腸内環境が悪くなれば肌荒れやニキビの原因となり、精神的なストレスが溜まれば胃が痛くなったり、お腹を壊したりします。
心が穏やかな時の胃は血行が良くピンク色で、斜め横になった形状をしていますが、強いストレスを感じた時は血流が集中して赤黒くなり、ぴんと立ったような形状になるそうです。
ストレスを感じると胃がキューっと痛くなるのは、このためです。
心が疲れれば胃腸の働きが鈍りますし、その反対に、胃腸が弱っている時は心身にも影響を及ぼします。
厚生労働省の国民生活基礎調査では、約半数の人が「ストレスを感じている」と回答しており、精神障害による労災申請も年々増加しているようです。
精神障害の症状チェック項目には必ず、「胃部不快感」や「便秘や下痢を繰り返す」といった胃腸の健康に関するものが含まれています。
「胃腸は心の鏡」と言われるように、それほど心身の健康と胃腸の健康は深い相互関係にあります。
食生活の乱れから胃腸が弱まったり、夏の暑さで食欲不振になった時や冷たい飲み物や食品の摂り過ぎで胃腸が不調になった時は、やる気も起きませんよね。
どちらにしても、「なんだか疲れたな」「元気がでないな」と感じる時は、胃腸を優しく労わってあげることが大切です。
胃腸に優しい食事というと、おかゆや消化の良さそうな料理を思い浮かべると思いますが、それだけでは栄養が偏り、心身の健康には繋がりません。
整腸作用のある食材や胃腸機能を高める食材を知り、胃腸を健やかで元気にしてあげましょう。
【胃腸を健やかにするメニュー例】
鶏の照り焼き、蒸しキャベツとトマトのサラダ、れんこんのきんぴら、とろろかけご飯、大根の味噌汁、バナナのヨーグルト和え
山芋は古くから滋養強壮の薬として親しまれてきた食べ物です。
ネバネバの成分ムチンは胃腸の粘膜を丈夫にし、消化吸収を高める効果があります。
水分代謝を促す効果もあるため、むくみ予防にもなります。
大根は消化不良を助け、体内の毒素を分解し、お通じをよくする働きがあるので、便秘気味の人は積極的に食べたい野菜です。
れんこんは胃もたれや消化不良を改善する働きがあるので、暴飲暴食で胃が弱っている時などに効果的です。
ヨーロッパには「トマトが赤くなれば医者が青くなる」ということわざがあるように、トマトには、疲労回復、食欲促進、整腸作用、抗酸化作用、精神安定など、体に嬉しい効果が沢山あります。
食物繊維を多く含むキャベツは胃腸の浄化力が高く、便秘予防や改善になります。
乳酸菌が豊富なヨーグルトが胃腸に良いことは、よく知られていますね。
蜂蜜が古くから不老長寿や美容の薬とされているのは、疲労回復、鎮静、整腸作用がとても高いためです。
以上が胃腸に優しい食材の紹介ですが、反対に胃腸が疲れている時には避けたい食品もあります。
まずはアルコール。
ストレス発散に仲間と飲みに行くのは悪いことではないのですが、胃腸への負担は大きいので、ほどほどにした方が良いですね。
疲労回復にはクエン酸が効果的なのですが、酸性の食品は胃への刺激も強いので、調味料や香り付けとして料理に取り入れるようにしましょう。
刺激の強い香辛料や、消化に時間の掛かる脂肪分の多い肉なども控えた方が良いですね。