よく噛んで食べると良いことだらけ!咀嚼で脳を活性化

これはある人の一日の食生活です。

(朝)手作りのタマゴサンドとグリーンスムージー

(昼)仕事が忙しく、ゆっくりランチをする時間が取れそうになかったので、ゼリータイプの栄養ドリンクでしっかり栄養補給

(夜)残業で帰宅が遅くなったので、夕食は消化が良く胃腸に優しいおかゆと野菜スープ

さて、この人の食生活に足りないものは何でしょうか?

グリーンスムージーやスープで、しっかり野菜をとることを心がけているようですし、忙しい時でもファストフードやコンビニは利用せず栄養ドリンクで栄養が偏らないよう気を付けています。

一見、健康に気を配っているように思えますが、この人には大切なものが圧倒的に足りていません。

それは、「咀嚼」です。

咀嚼、つまり噛むことですね。

忙しく、食生活が豊かになった現代人は、昔に比べ、1回の食事で噛む回数が減っていると言われています。

例えは、戦前の日本人は1回の食事中の咀嚼回数は約1400回だったのに対し、現代人は半分以下の600回だそうです。

人気グルメのランキングを見ても、「ふんわり」「とろける」「サクサク」などの言葉が並び、柔らかな食品が好まれる傾向にあることが分かります。

柔らかい食べ物に慣れてしまうと、硬い食べ物をあまり食べようとしなくなるため、どんどん噛む回数は減っていきます。

でも、それって大丈夫?

実は、健康維持やアンチエイジングには「咀嚼」が、とても大切なことなのです。

しっかり噛んで食べることは、多くのメリットがあります。

【メリットその1】小顔効果やダイエット効果がある!

しっかり噛むことで口の周りの筋肉が鍛えられ、ホウレイ線や頬のたるみ、二重あご予防に繋がります。

一口の咀嚼回数が多くなれば、自ずと食事はゆっくりと時間をかけて食べることになり、少量でも満腹感を得られるようになり、食べ過ぎ防止になります。

【メリットその2】新陳代謝が活発になりアンチエイジング効果が期待できる!

噛むと唾液が分泌されますが、唾液の中には「パロチン」という唾液腺ホルモンが含まれます。

パロチンは消化を助けるだけでなく、造血機能を高めたり、血管を丈夫にする働きもあります。

骨や歯を再活性化する働きや、肌の新陳代謝を活発にする働きもあるため、「若返りのホルモン」とも呼ばれています。

赤ちゃんは口から溢れるようにヨダレを垂らしていますが、これはパロチンの分泌が多いためです。

【メリットその3】脳の活性化。集中力アップや高齢者の認知症機能回復効果も!

食べ物を口の中に入れると、噛んで飲み込むという動作を自動的に行っていますね。

でも、食べるという動作は、実はとても複雑な作業。

食べ物が口の中に入ると、舌は味を感じると同時に上手に歯の間に食べ物を運び、舌を噛むことがないようタイミング良く引っ込みます。

顎や口の周りの筋肉は、食べ物の大きさや硬さによって噛む力を調節し、唾液腺からは唾液が分泌されます。

ほどよくすり潰し、十分に唾液と混じったところで、舌が食べ物をすくい、喉の奥に運び、食道へと流し込んでいます。

しかも、人は食べながら、食事とは全く別のことを考えていたり、会話をしたりすることができます。

勝手に体が動いているようでも、脳は絶えずフル回転!

野球選手が試合中にガムを噛むのは集中力をアップさせるためだと言われています。

また、高齢者の口腔ケアを行ったところ、認知機能が回復したという結果も得られています。

それは、しっかり噛んで食事ができるようになったことで脳が再び活発になったことと、食べる喜びを思い出したからなのでしょうね。