年齢に関係なく若々しい印象を与える人は、まず、心も体も健康です。
健康を保持するために最も大切なのは腸内環境を整えてあげることです。
腸は単なる消化器官だけではなく、人体の生命活動を支える器官でもあり、「心身の健康は腸にあり」といわれるほど、大切な部分なのです。
人間はこの世に生を受けると、母体の中で細胞分裂を繰り返しながら人体を形成していきますが、最初に作られる器官は腸だそうです。
人間の脳は生命活動を司る重要器官ですが、脳には直接栄養を吸収する機能はありません。
脳が活動するためにはエネルギーが必要ですから、必要とされる栄養分の消化吸収を行う腸が最初に作られるのは納得できますね。
人間の体は有害な物質やウイルスから体を守るため、免疫細胞が働いていますが、その約7割が腸内に存在しています。
人は食べ物から栄養を摂取していますが、同時に有害なものも体内に取り入れてしまうリスクもあります。
万一、ウイルスなどが取り込まれても、免疫細胞が撃退し、体内に吸収されることを防いでくれているのです。
また、人の精神面の安定を支えるために欠かせない脳内伝達物質のセロトニンは、実は腸内で作られています。
セロトニンは別名「ハッピーホルモン」とも呼ばれ、このセロトニンが不足すると心が不安定になり、突然キレやすくなったり、うつ症状を引き起こしたりします。
セロトニンは脳から分泌されるので、脳内で作られるものと思われがちですが、実はその9割が腸内で作られているのです。
それから、間の腸には600~1000兆個にも及ぶ腸内細菌が住んでいます。
「善玉菌」「悪玉菌」という言葉を耳にすることがあると思いますが、これらの腸内細菌の活動によって健康が左右されています。
善玉菌が優勢であれば腸内は健康に、悪玉菌が優勢になれば、腸内環境が悪くなり、身体の健康を脅かすことになります。
腸内の悪玉菌が増加すると毒素が発生し、体に様々なトラブルを引き起こします。
分かりやすい症状としては、お肌のトラブル。
便秘が続くとニキビができたり、肌がくすんできますよね。
これは、本来なら体外に排出しなければならない不要物が体内に長時間留まることで、悪玉菌が増殖してしまったから。
悪玉菌が増えると有毒なガスが発生するため、オナラの臭いがきつくなったり、腸内で発生したガスが血中に入り、体内にも運ばれてしまうため、体臭の原因にもなってしまいます。
それに、悪玉菌は大腸がんの原因にも成りうるので、たかが便秘と侮ってはいけません。
便秘を解消するためには、食物繊維を多く摂ることが大切です。
食物線維は、野菜、いも類、きのこ類、海藻類に多く含まれます。
「サラダをたくさん食べるようにしているから大丈夫」という人も安心は禁物。
食物線維には、「水溶性」と「不溶性」の二種類があり、レタスやキャベツなどの葉物野菜の食物繊維は主に水溶性。
水溶性は水に溶けやすく、便を軟らかくする働きがあるものの、便を体外に排出するためにはある程度のカサも必要です。
そのためには不溶性食物繊維も欠かすことができません。
水溶性と不溶性の食物繊維をバランスよく摂取することで、お通じがスムーズになり、腸内環境が改善されます。
美肌や健康維持のためには、腸内環境を健やかに保つことが大切ですね。